亜麻仁の種(英語ではフラックスシード)の名前は日本でも最近耳にするようになりましたよね?最も優れた植物とも讃えられる亜麻仁の種はスーパーフードの一つ。何と古代バビロニア時代、紀元前3000年前から栽培されていて、種は食用、オイル精製に、植物の繊維からはリネン生地、紙などが作られ、古くから人類に貢献してきた植物。亜麻仁の種には2種類あり、写真上のゴールデンフラックスシード(キツネ色のもの)とブラウンフラックスシード(茶色いもの)がありますが、供に栄養価に差はありません。
栄養価
亜麻仁の種はオメガ3とオメガ6脂肪酸、リグナン、抗酸化物質、食物繊維、ミネラル、ビタミンB複合体、Eなどが豊富で、ガン、糖尿病、抗炎症、血圧、免疫力向上、アンチエイジング、コレステロールを下げるのに効果的。亜麻仁の種大さじ1にはオメガ3系脂肪酸が1.8グラムも含まれ、リグナンを植物界の中で最も含みます。その優れた健康効果に惚れ込んだカール大帝は、巨民に亜麻仁の種を食すように命じた法を可決した程。スーパーフードの名に相応しい栄養価の宝庫です。
亜麻仁油(フラックスシードオイル)
亜麻仁の種から作られた亜麻仁油、フラックスシードオイルも今人気ですが、実はこちらはあまりお勧め出来ません。亜麻仁油はとても酸化し易い不安定な油。亜麻仁の種を触ったり、食べてみると分かりますが、種は結構硬いんです。この硬い種が中のオイルを守り、酸化を防ぎ、鮮度を保ってくれています。この種を取り除き、オイルを精製すると、とても酸化の早い、不安定なオイルが出来上がります。そのため購入された場合は常に冷凍庫で保管し、2週間以内に使い切る事が第一。酸化するので勿論加熱料理には一切使えません。又、オイルを抽出することにより、元々亜麻仁の種に豊富な食物繊維、ホウ酸、リグナンなど沢山の栄養素から期待できる抗ガン、抗炎症効果を取り除いてしまっています。亜麻仁油は高価な上に、2週間以内になんて使い切る事も難しいですし、どうせ亜麻仁の種を食べるなら全ての栄養素を摂りたいので、私は亜麻仁油は使いません。もしお使いの際は冷凍保存と2週間以内に使い切る事を徹底して下さい。
最も効果的な食べ方
亜麻仁の種の栄養価を最大限に体に取り入れるには、種を粉状に挽いてから摂取する方法が一番効果的。亜麻仁の種の硬い殻は中のオイルを酸化から守ってくれるのですが、その頑丈さが逆効果になって、亜麻仁の種をそのままよく噛まずに食べると、種が消化されずにそのまま排出されてしまいます。種を粉状に挽く事によって、高い栄養素を余すところなく吸収する事が出来ます。粉状にするにはコーヒーミルかスパイスミルを使えば簡単です。作り置きせず、毎回使う量をその場で挽くと、鮮度も抜群、酸化の心配もありません。種を挽かずにそのまま召し上がる場合は、口の中で粉々になるまでよく噛んで食べると、消化と栄養素吸収に良いですよ。
ジェル化作用
この優秀な亜麻仁の種は、一つ特殊な要素を兼ね備えています。それは水と混ぜてジェル化する作用。水に混ぜて30分から1時間置くと、水を完全に吸い取って写真下のようにジェル化します。このブログでもお馴染みのチアシードも水と混ぜるとジェル化し、チアシードプリンにしたりクラッカーにしたりと、ジェル化の要素を活かして様々なレシピに活用されますが、亜麻仁の種もチアシードと同様にジェル化作用を兼ね備えているんです。
少し分かりにくいかもしれませんが、ジェル化すると写真下のように、ヌルヌルして種同士がくっつきあい、ドロっとした質感になります。
この作用を活かして亜麻仁の種は様々なフラックスクラッカー(亜麻仁の種をジェル化し、味付けして乾燥させて作るクラッカー)に使われたり、粉状してツナギにしたり、乳製品を使わないヴィーガン・ベーキングでは卵の代替品として頻繁に使われます。
ベーキング用 卵代替品の作り方
材料(卵1個分):
亜麻仁の種の粉(亜麻仁の種を挽いたもの) 大さじ1
水 大さじ3
1.亜麻仁の種をコーヒーミルかスパイスミルで粉状に挽きます。
2.亜麻仁の種の粉と水を混ぜて、ジェル化するまで15分程置きます。
3.ジェル化してもったりとした質感になったら、卵の代わりにベーキングにお使いください。
栄養満点なスーパーフードの亜麻仁の種、是非取り入れてみて下さい!
亜麻仁の種を使ったレシピ
Boon says
ヨーグルトにそのまま混ぜて食べるのは消化不良を起こす食べ方でしょうか。
admin says
Boonさん、
コメントくださり、ありがとうございます。暫くブログをチェックしていなかったためお返事が大変遅れてしまい、誠に申し訳ございません。
ヨーグルトにそのまま混ぜても大丈夫ですが、よく噛まれるか、コーヒーミルなどで粉状にされると消化に良いと思います。摂取量は1日大さじ1程度が推奨されているので、それくらいにされることをお勧めします。
Yuki says
こんにちは。フラックスシードを大量購入し、今手元に沢山あります。
魚アレルギーでEPA, DHAといった成分が摂れないので、同じ成分を含む亜麻仁油を主治医から勧められました。
しかし、オイルは酸化しやすく2週間以内に使い切ることなど出来ず…。もしフラックスシードでも摂取可能ならそちらで摂りたいと考えています。
質問なのですが、亜麻仁オイルは高温調理すると酸化してしまうと言いますよね。ではフラックスシードをオーブンで調理したり(お菓子作りやパン等。場合によっては水を入れジェル化したあと、卵のように使用)、炒め物に入れフライパン調理した場合、EPA, DHAは問題なく摂取出来るのでしょうか?(種を砕かずそのままの場合と、ミルで砕いた場合、それぞれ教えて頂けると嬉しいです。)
沢山質問してしまい申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
admin says
Yukiさん、
コメントくださりありがとうございます。暫くブログをチェックしていなかったためお返事が大変遅れてしまい、誠に申し訳ございません。
さてフラックスシードに関してですが、フラックスシード自体はEPAとDHAを含みません。フラックスシードは代わりにALAを含み(他に大豆、キャノーラ、クルミなどの植物性オイル、芽キャベツ、ケール、ほうれん草、サラダ菜などもALAを含みます)、このALAが体内で部分的にEPAとDHAに変換されます。ですのでALAの高温調理によるダメージの有無が問題になりますが、フラックスシードのALAは耐熱性が強く、オーブンなどで調理しても目立った損失がなかったという研究結果が出ております。これはホールでもミール(粉砕されたもの)でも同じだそうです。分量としてはマイケル・グレガー医学博士は毎日大さじ1の量を推奨されています。
他にも何かございましたら、いつでもコメントくださいませ。
Yuki says
ご丁寧にご連絡を頂き、ありがとうございます。
とても参考になりました! 安心してフラックスシードをオーブン料理やパンに使うことが出来ます(^^)
魚を食べられないかわりに、摂取しようと思います!
貴重な情報ありがとうございました。
どうかお身体をご自愛くださいね。
山口恵美 says
はじめまして。
フラックスシードについて調べていたらこちらのページを拝見しましたので質問させていただきます。
フラックスシードにアルカロイドのような毎日摂ると身体に溜まる毒性の成分は含まれていますか?毎日摂っても害はないのかわからず、疑問に思っていました。
もしおわかりでしたら教えていただけると助かります。
宜しくお願い致します。
たか子 says
ローストアマニを買いました。コーヒーミルもミキサーもありません。すり鉢でもいいですか?
admin says
たか子さん、
当サイトをご覧くださりありがとうございます。
はい、すり鉢でも大丈夫です!
他にも何かございましたら、いつでもコメントくださいませ。
たか子 says
お返事ありがとうございます。毎日サラダや、ヨーグルトに入れて食べています。
admin says
たか子さん、
お返事ありがとうございます。
素晴らしいですね!擦ると吸収にも消化にも良いので是非。
パヒューム says
坂田さま
フラックスシードをコーヒーミルで粉末にして食べようと思うのですが、その際、フラックスシードは生のものと、ローストしたものと、どちらにしてよいのかわかりません。もし、生のものがよくてもミルしにくいのではないかと思います。また、生とローストしたものとのメリットデメリットを教えてください。
admin says
バピュームさん、
当サイトをご覧くださり誠にありがとうございます。出張中だったため、お返事が大変遅くなり誠に申し訳ございません。
さてフラックスシードについてですが、フラックスシードは生のものでもローストのものでもミルにし易いか、しにくいかは大して変わらないのどちらでも大丈夫です。
生のものは酵素が生きていますが、浸水しないで使うと酵素抑制物質やフェチン酸を含みます。ですがフラックスシードの使用方法によっては浸水してジェル化してしまうと扱いづらくなる時があります。
逆にローストの場合は酵素は破壊されているかもしれませんが、フラックスシードに含まれるALAとリグナンは熱にも強いのでダメージも少なく(フラックスオイルは例外)、高温の熱処理によって酵素抑制物質とフェチン酸の量も多少なりとも減っている可能性もあるので、生とローストのメリットデメリットはどちらもそう変わらないと思います。ただローストした方は味に香ばしさが増しますね。
アメリカでは生のフラックスシードが一般的に売られているので、私自身は生のフラックスシードを使っておりますが、バピュームさんは手に入り易い方をお使いになられてはいかがでしょうか。
他にも何か御座いましたら遠慮なく聞いてくださいませ。
パヒューム says
坂田さま
親切に教えてくださりありがとうございます。結局、まず生とローストしたものと両方を購入し、自分で気に入った方を選ぼうとおもいました。
もしかして何か疑問が沸いたときにはまた、よろしくお願いいたします。
admin says
バピューム様、
お返事ありがとうございます。
はい、今後とも宜しくお願い致します。
よもぎ says
お世話様になっております。
たびたび質問です。
フラックスシードは、浸水しなくても粉砕すれば発芽毒の影響はないのですか・・・
それとも、浸水後に乾燥させてミルするのですか・・・
情報があふれすぎてて真相がわからず混迷している初心者です。
真実は一つ?でないかもしれませんが、発芽毒の的確な消去法およびどこまですれば本当に無毒化できるのかの
体系的な知識を伝授頂きたくよろしくお願い申し上げます。
admin says
よもぎさん、
コメントありがとうございます。
フラックスミールはフラックスシード浸水せずにそのままの乾いた状態でミキサーで粉状に撹拌します。私の通ったローフードシェフスクールではハイパワーミキサーの高速でナッツや種を切り刻む撹拌の動作と、ミキサーのモーターが発する熱で酵素抑制物質は破壊されると教わりました。
確かにネットでは情報が氾濫していて何が何だかわからなくなってしまいますよね。これで少しでも混迷が解けるといいのですが。。。他にも御座いましたら、いつでもご遠慮なく!
よもぎ says
わかりやすいコメントありがとうございます。
ハイパワーミキサーとやらは無いので(おすすめのミキサーはなんですか?)
ミルサーでも大丈夫かやってみます。
今、チアとフラックスとバジルを浸水中です。
もしパワー不足のときは・・・何とかすり鉢でやってみます。
師匠様はどこのメーカーのミキサーがおすすめですか・・・
admin says
よもぎさん、
コメントありがとうございます。
ハイパワーミキサーはVitamix(バイタミックス)やBlend-tec(ブレンドテック)などのパワフルなモーターのついたミキサーの事を言います。普通のミキサーの3〜5倍のパワーがあるので、どんなスムージー、ナッツや種ベースのクリームソース、チーズでも完全に滑らかにしてしまいますし、液体を高速で3〜4分撹拌すると沸騰させてしまうほどパワフルなんです。ですがミキサーにしては驚くほど高価なので、まだローフードを始めたての頃は普通のミキサーで充分大丈夫です。もし本格的に長年続けていきたいと思うようになられたら、バイタミックスに投資されても良いかもしれませんね。高価ではありますが性能が良いので、毎日何回も何年も使っても壊れないので、使用頻度を考慮して長い目で見ると結局はお得だと思います。激しい使用頻度だと普通のミキサーなら壊れてしまって何回も買い換えないといけないでしょうからね。私は6年前にバイタミックスを購入してから、ほぼ毎日使ってきていますが今でも全く問題なく動いてくれていますよ。私の友人も14年もののバイタミックスを一回も修理することなく、今でもガンガン使っているので一度買ってしまえばメンテナンスはほぼゼロに近いですね。
ですが先程も申し上げました通り、普通のミキサーでも充分大丈夫なので今はお手持ちの家電で大丈夫ですよ!ソースなどにダマが残ってしまったら漉せばいいだけなので。
Navy says
坂田さん、
こんにちは。初めてメールします。
本格的な内容でとても勉強になります。
家族のアレルギー体質を改善したくてフラックスシードオイルを購入しました。
冷凍庫で保管するということですが、冷凍庫から取り出してもすぐに使えるほどサラサラなのですか?
16flozボトルを購入したので2週間で使い切るのは難しいかなと思っています。
また、息子はフラックスシードオイルの味が苦手なので、困っています。
毎日の食事に取り入れられて味が前面に出ないレシピがあったら教えて下さい。
亜麻仁の種を細かい粉にして摂取した方がいいということも理解しました。
ただ、私は堅い種を摂取すると腹痛に悩まされます。
ジェル化したチアシードを食べた時も数日間腹痛が続きました。
亜麻仁の種はコーヒーミルで挽くとどのくらい細かくなるのでしょうか?
小麦粉ぐらいになれば大丈夫かなともいますが、、。
いろいろ質問しましたが、よろしくお願いします。
admin says
Navyさん、
初めまして、コメントありがとうございます!
フラックスシードオイルは冷凍庫に入れても固まりませんので、そのまま使えますよ!確かにフラックスオイルはクセがあるので万人向けではないですよね。フラックスオイルは高温で加熱しない方がいいので、味に支障のない程度にドレッシングに少し足してみたり、スムージーに少し入れたりとかされてみては如何でしょうか?後はフラックスオイルにお醤油を混ぜてご飯に掛けて食べると卵かけ御飯のようにもなりますよ。のりやネギ、納豆なんかを足してしまえば更に味がわからなくなるでしょう。お子さんもこれなら大丈夫かもしれません。卵かけ御飯だよ!と言って出せばきっとわからないでしょう。卵かけ御飯が嫌いお子さんなら全然役に立ちませんが(笑)
亜麻仁の種はコーヒーミルかミキサーを使えば結構細かく挽けますよ。小麦粉より少し粒子の大きい感じでしょうか。恐らくNavyさんの体質でも種を細かく挽けば大丈夫でしょうが、最初はほんの少量で試されて、様子を見ながら量を少しづつ増やしていくようにされると良いでしょう。フラックスは水と混ぜるとジェル化するので、お料理にツナギとしても使えるんですよ。細かく挽いてからハンバーグとかに小麦粉の代わりに混ぜ入れればツナギになりますよ。
ご家族はどのようなアレルギーをお持ちなんですか?
Navy says
早速のお返事ありがとうございます!
冷凍庫保存に切り替えました。
昨日はビーツの酢漬けとアボカドのサラダにフラックスシードオイルとフェタチーズをかけたのですが、
息子にバレてしまい、オイルをたっぷり残されてしまいました。
生っぽい卵がきらいなので、残念ながら卵掛けご飯は難しいです。
種を細かくしたほうが食事に取り入れやすそうすが、やはり少し心配です。
家族全員に花粉症があり、夫と息子は風邪をひくと喘息がでます。
息子は赤ちゃんの時に短い期間アトピーがありましたが、すっかりよくなりました。
今は半熟状の卵やメレンゲを食べると口の中にかゆみが出たり、唇と皮膚の境目が切れたりします。
卵や大豆の成分が入った加工食品もあわないようです。醤油、味噌、納豆、木綿豆腐は大丈夫です。
花粉症の症状を少しでも軽減したいと思ています。
admin says
Navyさん、
お返事ありがとうございます!
そうですね、フラックスシードオイルはクセがありますからね。私も買ってみて色々試してみて、ご報告差し上げますね。種を細かくしたのを少量だけ、それこそ小さじ1/4位かそれ以下の量をお休みの日にでも試してみるのもいいかもしれませんね。ですがアレルギー対策ならフラックスシードにこだわる必要もないと思います。お子さんもオイルが嫌いで、Navyさんの体にも種が合わないなら敢えてフラックスにこだわる必要もないと思いますよ。乳製品や卵、グルテンの摂取量を減らしていく方がフラックスだけに頼るより効果的ですよ。